【初心者向け】自然農・夏野菜の種まき時期の決め方

実践編

こんにちは、ヨウイチです!

3月になりいよいよ野菜作りシーズンの到来ですね。

しかし朝晩はまだ寒い日も続き、「夏野菜を育てたいけど種はいつ蒔けばいい?」「早く種まきしないと野菜が育たないかも。。」とお悩みではないでしょうか。

今回の記事では、自然農での種まき時期の決め方について解説します。

次のような人におすすめ!
種まきの時期を知りたい人
種から野菜を育ててみたい人
健康な苗を仕立てたい人

この記事を最後まで読むと、種まき時期を自分で決められるようになりますよ。

それでは、どうぞ。

種まき時期を決める前に確認する3つのこと

「種をいつ蒔くか」を決める前に確認してほしいことが3点あります

①どの季節に育つ野菜か?

まず一つ目に確認することは、

あなたが育てたい野菜は、「おおまかにどの季節に育つ野菜か」ということです。

夏野菜なのか、冬野菜なのか。

季節にあった野菜を選ぶことが大切です。自然農では冬にナスは育ちません。

これを確認するには「種袋」を見てみましょう

「種袋」には栽培に関する情報がとても詳しく書かれています。

これは固定種『早生真黒茄子』の種袋ですが、

来歴から種子の保存方法に至るまで、とても親切に教えてくれています。

この種袋の「播種期」(赤線を引いてます)を確認することで、

まずはおおまかな種まき時期をイメージすることができます。

【重要】②加温できる育苗設備を用意できるか?

次に考えていただきたいことは、種が発芽してからのことです。

種は蒔いたし発芽したものの、季節外れの寒波で苗が枯れてしまった。。

これはよくある失敗です。私も経験していますがとても辛いですね。。
種を蒔く前に、発芽した苗が育っていける環境を用意できるかを考えておきましょう。

例えば踏み込み温床のような『加温』ができる設備となりますが

用意できない場合、夏野菜の栽培は気温が十分上がってから(5月中旬以降)の種蒔きが無難です。

【注意】育苗に加温設備は不可欠!

寒い季節の育苗には『加温設備』が不可欠です。

  • 『加温設備』とは・・・本来であれば寒くて成長できない時期に外部からの熱で苗の成長を助ける設備。『保温』とは違うことに注意!※ビニールハウスは保温。加温ではない。

加温設備の例としては『踏み込み温床』『電気式育苗マット』『陽だまり育苗』などがあります。

③定植したい時期はいつか?

3つ目は「最終的にいつ定植するか」を考えておきましょう。

定植=外気の影響をダイレクトに受ける畑に植える

ということですから、「定植時期」が野菜が育っていける「生育適温の時期」である必要があります。

つまり種まき時期は、

種まき時期=定植時期-苗の生育期間(育苗期間)

と考えられます。逆算して考えるわけです。

そうなると夏野菜の育苗期間についても調べておく必要がありますね。

播種して定植するまでの育苗期間は

ナス科・・・ピーマン2カ月半、ナス2カ月、トマト2カ月弱

ウリ科・・・1カ月

を目安に考えましょう。

具体的事例検討

以上3点

  • ①どの季節に育つ野菜か?
  • ②加温できる育苗設備を用意できるか?
  • ③定植したい時期はいつか?

を考慮に入れつつ、真黒茄子の種まき時期を検討してみます。

種まき時期の決め方の流れをイメージしてみましょう!

①どの季節に育つ野菜か?真黒茄子は夏野菜?

もう一度、真黒茄子の種袋を見てみましょう。

とのことで、真黒茄子は夏野菜であることがわかりました。

②育苗設備を用意できるか

私の場合、昨年から「踏み込み温床」を用意し育苗しています。

落葉と米ぬかの踏み込み温床

踏み込み温床では3月の夜間でも地温を25℃ほどに維持できました。

※夏野菜の育苗に大切なのは夜間地温が15℃以上あることとされています。

2023.3.24午前7時の踏み込み温床内。温床外の気温は約7℃。

種袋を見ると、真黒茄子の発育適温は最低10℃となっていますから、

温床が用意出来れば、真黒茄子の生育に十分な環境といえるでしょう。

③定植したい時期はいつか

再び種袋を見ると、

真黒茄子を定植し、畑に出すには『地温18℃以上』になってからとあります。

地温については正確に測ったほうがもちろん良いのですが、

経験的に夜間最低気温が15℃を下回る日が無くなる時期を『夏野菜が定植できる時期』とします。

ここで参考にするのが気象庁の過去データです。

引用:気象庁|過去の気象データ検索 (jma.go.jp)

この過去データを参考にすることで、今年の定植時期を決めます。

まずは直近2年ほどの記録から定植時期の5月の気温変化をチェックします。

2022年5月の気温変化
2022年5月の気温変化

両年とも5月20日以降は最低気温が15℃を下回らないということが分かります。

念のため6月の気温も確認します。

2023年6月の気温変化
2022年6月の気温変化

6月になると15℃は下回りませんね。

というわけで、定植時期は5月20日以降、少し余裕をもって25日とします。

そして定植時期が決まったので、育苗期間の2カ月を逆算

種まき日は3月25日と決定しました

これが私の種まき日の決め方です。

※【補足】

ようやく種まき日が決まりましたね!しかしこれもあくまで候補日です。

実際は育苗状況により前後することが多々ありますよ。

ちなみに2023年は春先に気温がかなり高く、予想より苗の成長も早かったため定植も早くせざるを得なくなりました。
まだ寒さの残る5月初旬の定植となり、その後の防寒対策に苦労しました。。
これも良い経験です(笑)

種まきの時期が影響する2つのこと

余談となりますが、

野菜栽培において「種まきの時期」は重要で、収穫の良しあしまで左右してしまいます。

種まきは文字通り野菜栽培のスタート。

自然の動きに大きく影響を受ける自然農では、種まきの失敗が途中からは盛り返せないことも多く、

収穫に結びつかない原因のひとつに、種まき時期の判断ミスもあります。

できたものを有難くいただくのも自然農の醍醐味ですが、、やはり作るからには良いものができて欲しいです(笑)

というわけで、「いつ種を蒔くか」は

  • 収穫量
  • 管理する人の負担

の2つの点で大事になってきます。

収穫量への影響

これは容易に想像できますね。

夏野菜を寒さの残る早い時期に育てれば寒冷障害で著しく成長が遅れますし、枯れてしまうこともあります。

実は冬野菜でも同じで、寒さが本格的になる前までに苗を揃えないと、例えば白菜は玉になりません。

種を適期に蒔かないことが、収穫ゼロにつながってしまうこともありますね。

種を適期に蒔くことで丈夫な苗を作ることもできますので、病気にも強い苗になりますよ。

管理する人への影響

種を早くまきすぎて、まだ寒い時期に夏野菜を植えなくてはならなくなると、寒冷紗や不織布などの農業資材を使った防寒が必要になったり、病気になりやすくなったりすることで様々な負担が増えます

管理作業をする時間が増えることで、使わなくても良い体力もお金も使ってしまいますね。

まとめ

自然農での種まき時期の決め方については事前に確認することが3つありました。

①どの季節に育つ野菜か?では

植えたい野菜がどの季節に植える野菜かを確認します。

②加温できる育苗設備を用意できるか?では

加温設備の導入を考えます。

③定植したい時期はいつか?では

気象庁|過去の気象データ検索 (jma.go.jp)で確認します。

そして種まき時期=定植時期-苗の生育期間であり、

定植時期から逆算して種まき時期が決定できる

ことを解説させていただきました。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

自然農では自然に沿えば沿うほど味方になってもらえ人間の労力は減ってくる、

そんな気がしています。

もし野菜ができなくても「失敗」ではなく「経験」ですから焦らずに、

ぜひ自然農で快適な暮らしをしていきましょう!

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