2024年、自然農のサトイモ栽培記録。不耕起、無農薬の栽培です。【読了時間:約15分】
ネタばれになりますが。。今年のサトイモは失敗でした( ´∀` )
どの工程が影響したのか?推理しながら読んでいただくのも楽しみ方の1つ、
ということにしていただくと幸いです!
【4月11日】芽出し
発芽しやすくするため、ひと手間かけたいのが芽出しです。
私は毎年”親芋”を種芋として使っています。
前年収穫し保管しておいたものを使えば種芋を買う必要はありません。
昨秋に収穫した親芋を冬場に気温が10℃以下にならないところで保管しておきます。
我が家では玄関廊下で保管していました。
米袋の中にもみ殻と一緒に入れておけば冬を乗り越えられます。
※地域にもよりますが、もみ殻は農協のライスセンターで無料で分けてもらえます。
米袋の中で籾殻に守られた種芋が発芽しています。
もう芽出しができていますので定植はできるのですが、この時点(4月11日)では
- 朝晩の気温が低すぎる→腐る恐れ
- 芽出しに加えて根出ししておく→活着が良くなる
ため一時的に土をかぶせて保存しておきます。
こんな感じに花かごやプランターなどに入れておくと良いでしょう。
土の表面が乾いてきたら水やりも必要です。
置いておく場所は夜間も雨露がかからず、なるべく暖かい場所が良いです。
私は自作の落葉温床の中に入れて保管しています。
【4月22日】定植
夜間の最低気温が10℃を上回るのが定植の目安としています。
種芋に土をかぶせて約10日ですが、芽の周りから根が出ています。
定植の際は芽や根を傷つけないように気を付けましょう。
私の定植方法は、深い穴を掘った逆さ植えです。
手順は
- 深さ20センチくらいの穴を掘る
- 芽をさかさまにして種芋を設置
- 全部埋め戻さず、種芋が隠れる程度にしか土をかけない
- 乾燥防止に草マルチで穴をふさぐ
図で見るとこんな感じです。
というわけで、定植後の畝は凸凹になったままです。
埋め戻さず残った土は、このあと成長に合わせて土寄せをするときに使います。
【5月14日(定植から22日)】埋め戻し兼土寄せ
本葉が大きくなってきましたので、残っていた土で植穴を埋め戻します。
種芋を深く植えておいたので、埋め戻すだけで1回目の土寄せができている状態です。
土をできるだけ動かさない自然農では土寄せの土をどこから持ってくるのかが悩みとなります。
深い穴を掘る方法はそんな悩みを解決してくれます。
【6月25日(定植から64日)】順調に生育
2024年は高温が続いたせいか、生育が早い年でした。
周りの草の伸びも早いので、草マルチにも事欠きません。
草刈りしては株元に被せていきます。
サトイモは水分の好きな野菜ですから乾燥は大敵です。
水分保持のためにも草マルチを山盛りにしています。
【7月9日(定植から78日)】草マルチ、2回目土寄せ
この頃から小芋ができ始めますので、小芋が土から露出しないように2回目の土寄せをします。
草マルチの上から土寄せ。
今年は土寄せに落葉温床の残りを使いました。いわゆる完熟たい肥です。
実はこの落葉の土寄せが、後に起こる虫害の原因になったのかも。。と考えています。
「栄養過剰になると虫害が起こりやすい」といわれているからです。
【8月2日(定植から102日)】水不足で枯れる葉っぱ
1カ月以上ほとんど雨が降らない天気が続いたせいで葉っぱが枯れ始めました。
この時期は葉っぱで光合成した栄養を子芋に貯めることで子芋が大きくなる大切な時期。
しかし栄養増産工場である葉っぱが枯れてしまうと子芋も大きくなれません。
雨水タンクだけで水道のない畑では雨を待つしかありませんが、
自然に対抗して水やりを頑張るのも焼け石に水程度にしかなりません。
もしとれないとしても他のものを食べればいいか、と気楽に考えています。
もしどうしても食べたければ、、売ってるものを買う選択肢もありますね。
その後、ようやく降り続いた雨のお陰でずいぶん葉っぱも回復しました。(写真は8月30日の様子)
しかし子芋が大きくなる時期に葉っぱの成長に栄養を取られたことで、
収穫量に影響があるのは間違いありません。
【9月19日(定植から150日)】虫の害
水不足から回復したのも束の間、今度は虫の害で葉っぱがボロボロに。
軸だけになってしまった葉っぱも目立ちます。
こんなに食べられたのは初めてのことです。
ハスモンヨトウの大量発生です。虫パトロールを再開しました。
最初に頭をよぎったのは堆肥による土寄せです。
「養分過多が虫の大発生を招く」ことは自然農界隈の常識。
しかし時期は少しズレますが10月末に堆肥を与えていないブロッコリーでもハスモンヨトウの大量発生があったことで、今年特有の高温のせいなのかな?とも考えています。
10月17日現在、朝晩が急に寒くなったことで虫も減り、葉っぱも回復しましたが時すでに遅し?
【12月9日(定植から231日)】収穫
サトイモの収穫時期は葉っぱが黄色く枯れ始めるのを目安にしていますが、今年はなかなか枯れ始めないのでこの時期まで放置していました。
通常は定植から約180日ほどで収穫期を迎えます。
私の場合、180日といえば10月半ば。虫の害からようやく回復した頃です。
ここで収穫するのは勿体ない。。と考え収穫を引き伸ばしました。
11月になっても気温の高い日が続いたのでイモが大きくなるのを期待しました。
ようやく地上部が枯れ始めたのでいよいよ収穫。結果はいかに?
親芋ばかりに見えますが、これで一株。
つまり子芋から大きく芽が伸びてしまっています。そして孫芋はビー玉サイズ。。
ネタバレはしていましたが不作です(笑)
さて原因は?
不作の原因は?
サトイモは種芋より高い位置に子芋ができます。そして孫芋は子芋のさらに上に。
今年はご覧のとおり、子芋からすでに芽が出ている状態。
つまり子芋ができた位置が浅すぎたというわけです。
つまり不作の原因は土寄せ不足!
干ばつや虫害を気にしていましたが、私のお世話不足が原因でした。
土寄せすることで子芋孫芋が成長できる空間が生まれます。
今年は土寄せする労力を惜しんで楽をしてしまいました。
サトイモは葉っぱを失いながらも大きくなってくれたのですが、
土寄せが浅かったため子芋は発芽してしまい、
孫芋については大きくなれる余地がありませんでした。
しかし暑い時期にやる土寄せは体力を消耗するのであまりやりたくない。。
来年からは畝の場所を畝間みたいな最初から穴になっているところに変えてみようと思います。
自然農は自然の力を活かして恵みを得る農法といえます。
人間のかかわりを最小限にして最大の恵みを得られる農法だと考えていましたが、
今年は私がやるべきことをやらな過ぎたことで不作となりました。
野菜作りの基本ですが、
「適期に適切なお世話が必要」ということです。
反省。。
というわけで、失敗は成功の基!
来年の栽培記録をお楽しみに。